NMOSDとは、難病『視神経脊髄炎スペクトラム障害』のことです。
かつては、多発性硬化症(MS)と同じ疾患とされていました。
NMOSDを、多くの人に知ってもらいたいという想いで制作された楽曲が『パレットは透明』です。
若者を中心に人気を集めている、アーティストのyamaさんが書き下ろされました。
楽曲はもちろん、様々な想いが込められたミュージックビデオについても詳しく紹介させていただきます!
NMOSDさんやMSさんはもちろん、難病を抱えている方は、誰でも共感できると思います
パレットは透明
では、さっそくNMOSD疾患啓発曲『パレットは透明』を聴いていただきましょう。
いかがでしたでしょうか?泣けますよねー!!
歌っているのは、アーティストのyamaさんです。
yamaさんは、2020年に自身初のオリジナルとしてリリースした『春を告げる』がSNSを中心に大ヒット。
以来、TVアニメ『SPY×FAMILY』や『機動戦士ガンダム水星の魔女』など数多くのテーマソングを担当されている、現在の音楽シーンを象徴するアーティストの1人です。
こちらの歌詞は、yamaさん本人が、誰もが抱えている「コミュニケーションにおける葛藤」というテーマで募集したエピソードを元に、作曲を手掛けた是(ゼ)さんと共に制作したんだとか。
個人的には、この歌詞が刺さりました。
分からない傷跡を越えて
飾らないこの色に気付けたこと
いつか話そう
『パレットは透明』の歌詞より
見た目だけでは分からない難病さんは、痛みや辛さが相手に伝わりにくいし、自分でも何が辛いのか分からなくなってしまうことがあるのではないでしょうか?
さらには心も蝕まれていって、私自身たくさんの「分からない傷跡」があると実感しています。
でも、『パレットは透明』の歌詞を聴いて、傷跡を超えた先に自分らしさがあるのではないかと思いました。
『パレットは透明』は、こちらのアルバムに収録されています。
パレットは透明だけをいつでも聴きたい方は、配信もされていますので、こちらからチェックしてみて下さい。
また、ミュージックビデオでは、ベンチがキーアイテムになっていて、その人が抱える悩みや感情を表現されています。
1つのベンチを通して、このような過程を描いているそうです。
「本当の意味で他者を理解することはできなくても、分かりたいと想うことで今までとは違った景色が見えてくるかもしれない」
https://www.onemedia.jp/column/chugai_nmosd_with_yama_vol02
当事者でなければ理解できないことは、私たちも十分知っているんですよね。
ただ『知りたい』と思ってくれるだけで、嬉しいんです。
ということで、NMOSD(視神経脊髄炎スペクトラム障害)を知ることから始めてみましょう!
NMOSDとは
NMOSD(視神経脊髄炎スペクトラム障害)は、中枢神経系(脳や一部の脳神経、脊髄)における自己免疫疾患の1つで、主に視神経や脊髄を中心に炎症が起こる病気です。
元々は、多発性硬化症(MS)と同じ病気だと言われていましたが、現在は分離され、日本では約6,500人の患者さんがいらっしゃると言われています。
多発性硬化症は、脱髄によって起こる疾患ですが、NMOSDは、血液中の抗体が中枢神経系の細胞を攻撃することで起こる疾患です。
症状
NMOSDは、当事者によって炎症が起こる部位が違うので、表れる症状も様々です。
主な症状はこちら。
視神経炎症による症状
- 目の見えにくさ
- 目の奥の鈍痛
- 目を動かすと生じる痛み
- 視力低下
- 視野障害
- 症状が強い時は失明することもある
※これらの症状が両目に出ることもあるそうです。
脊髄の炎症による症状
- 手足の動きにくさ
- 感覚障害
- 排尿・排便のしにくさ
脳幹の炎症による症状
- 嘔吐やしゃっくり
このような症状が急に生じ、炎症の程度が強いため、症状が重いことが多く、症状が残りやすいのが、NMOSDの特徴です。
間隔をあけて再発することもあります。
多発性硬化症と同じく、体を温めると出現する『ウートフ徴候』も出現するそうです。
多発性硬化症よりも、重症度が高く、再発のときには、重篤になりやすいと言われています。
治療
NMOSDの発症時や再発時には、多発性硬化症と同じくステロイドパルス療法によって、炎症を鎮めます。
改善が見られない時は、血漿浄化療法(血液を体の外に取り出して機械にかけたあと戻す)を行うそうです。
その後は、主にNMOSDの再発予防薬を使って再発予防を行っていきます。
NMOSDでは、ステロイドパルス療法を行っても、症状が充分に回復せずに残ってしまうことがあります。
その時は、症状に合わせた薬で対症療法を行っていくそうです。
NMOSD啓発プロジェクト
今回、紹介させていただいた『パレットは透明』のプロジェクトについては、こちらのHPで見られます。
『パレットは透明』に対するyamaさんの言葉や、楽曲の制作風景なども掲載されています。
こちらは、制作風景の1つですが、yamaさんがNMOSDの患者さんたちの声を1つ1つ丁寧にすくってくれているのが分かります。
yamaさんが知ろうとしてくれている姿にも、感動しちゃいますよね。
また、NMOSDやMSの患者さんからヒアリングしたエピソードをもとに、クリエイターが制作したショートムービーも公開されています。
@seisyunbot Sponsored by 中外製薬 #NMOSD #視神経脊髄炎スペクトラム障害 #分からなさを越えていこう ♬ pure colors – yama
絵は可愛らしいのに、胸が締め付けられるような動画に、思わず涙が溢れます。
全てで10個のショートムービーがありますので、是非見てみてください!
ショートムービーのシナリオ原作は、患者さんのインタビューを元に、noteで話題の作家「きなこ」さんが、短編小説を執筆されています。
とても丁寧で繊細な文章なので、通院の待ち時間などに読んでみて欲しいです。
こちらから読めます↓
まとめ
以上、NMOSD(視神経脊髄炎スペクトラム障害)の啓発楽曲『パレットは透明』について、紹介させていただきました。
NMOSDやMSに限らず、病気と共に生きている方は、共感できることが多かったのでは無いでしょうか?
症状が違っても、不安な気持ちや、周囲の声に振り回されるのは一緒な気がします。
MSである私も、周囲からの「大丈夫」「なんとかなる」という言葉に対して、「それ本当に私に言っているの?」と思ってしまうことがあります。
「そうだよね」と返事をしながら、さらに不安が増すのです。
病気と共に生きている当事者の方はもちろん、健常者の方たちにこそ聴いてほしい1曲だなと思いました。
yamaさんの伸びやかで美しい歌声で、多くの人達に届けてくれることでしょう。
『パレットは透明』は、こちらのアルバムに収録されています。
パレットは透明だけをいつでも聴きたい方は、配信もされていますので、こちらからチェックしてみて下さい。
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