【体験談】多発性硬化症の治療について

【体験談】多発性硬化症の治療について 多発性硬化症体験談

多発性硬化症は現状、治る病気ではありません

多発性硬化症を発症・再発したときの治療について

そして、再発防止の薬について紹介させて頂きます。

実際に治療を行った私の体験談やTwitterにツイートされているみなさんの声もまとめました。

もぐぷく
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治療ってどんなことするんだろうって不安ですよね。

この記事でその気持ちが少しでも和らいでもらえれば幸いです。

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多発性硬化症を発症・再発したときの治療は?

多発性硬化症を発症・再発したときは、とにかく早めに治療を行います。

放っておくとどんどん進行してしまいますので、異変を感じたらすぐ主治医の先生に相談しましょう。

そして、検査によって多発性硬化症を発症・再発が確定したら、すぐに治療が開始されます

急性期の治療はステロイドパルス療法という、炎症を抑える副腎皮質ホルモン剤を比較的大量に短期間投与する治療が行われます。通常3日間の点滴を1コースとして1週間ごとに2~3回繰り返します。

https://www.med.jrc.or.jp/tabid/798/Default.aspx#:~:text=%E3%82%92%E8%AA%BF%E3%81%B9%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82-,%E6%B2%BB%E7%99%82,%E8%96%AC%E3%81%8C%E7%94%A8%E3%81%84%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

よく「パルス」とも言われている、ステロイドパルス療法。

2〜3回というのは、炎症を抑えられたかによって回数が変わってきます。

ステロイドパルス療法には副作用があり、治療を経験された方は、様々な副作用に悩まされています。

●ステロイドパルス療法による副作用

  • 体重増加、顔貌変化
  • 高血糖、糖尿病
  • 消化管潰瘍
  • 骨粗鬆症、大腿部骨頭壊死
  • 精神症状
  • 心不全、劇症肝炎
  • 感染症

副作用がない方もいらっしゃるんですね!

ですが、かなり大量のステロイドを短期間で投与するので、副作用がある方がほとんどかと思われます。

そして、先生から説明された以外の副作用を感じる方も多くいらっしゃいます。

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私が経験した副作用は、顔貌変化が強く出た印象です。

先生にも、お月様のようにまんまるになると言われていました。

その通り、顔がみるみる丸くなり、気づくとパンパンになってました。

丸くなるときも、風船が膨れるような感じで、痛くて、顔だけでなく胸やお腹のほうも同じような痛みがありました。

いつもベッドにいるときは、漫画や本を読んだり、スマホをいじっていたのですが、それが一切できないほどには、痛かったです。

また、再発時期と弟の結婚式が重なってしまい、1泊2日で外泊をして参列したことがあります。

その時、既に顔がパンパンに丸く、痛みは和らいでいたのですが、写真に映る顔が丸くてショックでした…。

せっかくヘアメイクを頼んでキレイにしてもらったのに顔が丸いと台無しです。

また、ステロイドパルス療法は、免疫が低下して感染症のリスクがあるので、コロナ前でしたが、マスクをして参列しました。

それと1日2回、血糖値を測るのですが、少し高かった時にインスリンを打たれたこともありました。

お見舞いにと甘い物(チョコレートやラスクなど)を持ってきてくれる方が多かったですが、それも一切食べれず…。

申し訳ないと感じながら母に横流ししてました。

もし、知人が多発性硬化症で入院された際は、お見舞いに甘い食べ物は控えたほうが良いかもです^^;

これはステロイドパルス療法には関係ないかもしれませんが、入院すると最初は眠れないことが多いです。

みなさんも、入院すると気持ちや頭が混乱してしまって、眠れないことが多いのではないでしょうか?

私も、何度か睡眠薬をもらって眠ったことがあります。

でも、入院が長期なので、数日もすれば寝相が悪くて看護師さんに布団をかけ直してもらうこともしばしばでした(笑)

もし眠れないときは、先生や看護師さんに相談するといいですよ。

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多発性硬化症の再発・進行を防止するための治療は?

多発性硬化症は、現在治る病気ではないので、再発や進行を防止する治療を行います

様々な治療薬がありますので、1つずつ紹介させて頂きます。

薬剤により効果と安全性を確保する方法は異なりますので、患者さんと医師がよく話し合って、患者さんご自身の必要度と希望に合った治療法を選ぶことが大切です。

https://www.ms-supportnavi.com/ja-jp/home/sclerosis/sclerosis08.html

主治医の先生が、患者に合わせた薬を提案してくれると思います。

そちらを参考にしながら、自分のライフスタイルにはどれが適しているのか、考えても良いかもしれません。

主治医の先生はもちろん、セカンドオピニオンで別の先生の意見を聞くのも良いでしょう。

セカンドオピニオンとは、患者さんが納得のいく治療法を選択することができるように、治療の進行状況、次の段階の治療選択などについて、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることです。

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/gan_portal/chiryou/second_opinion/about.html

先生によって考え方や、知識が違ったりするので、治療法に悩んでいたら、セカンドオピニオンを検討してみて下さい。

では、薬を使用している方たちの声と合わせて順番に紹介させて頂きます!

ベタフェロン

  • 2000年日本発売
  • 2日に1回の皮下注射(本人や家族など)

ベタフェロン®(インターフェロン・ベータ1b)は、人間の体内で分泌されているタンパク質「インターフェロン・ベータ」を、遺伝子組み換え技術を用いて薬にしたものです。

https://www.mscabin.org/ms/msbetaferon/

よくある副作用として、発熱・頭痛・倦怠感・関節痛・悪寒などの『インフルエンザ様症状』と呼ばれる症状が、治療を始めたばかりの頃によく出ます。

対処法として、少ない量から治療を始め、徐々に増やしていくことで、無理なく体に慣れていきます。

アボネックス

  • 2006年日本発売
  • 1週間に1回の筋肉注射(本人や家族など)

アボネックス®(インターフェロン・ベータ1a)は、人間の体内で分泌されているタンパク質「インターフェロン・ベータ」を、遺伝子組み換え技術を用いて薬にしたものです。

https://www.mscabin.org/ms/msavonex/

副作用は、ベタフェロンと同じような『インフルエンザ様症状』と呼ばれる症状が、治療を始めたばかりのころによく出ます。

その他、リンパ球の減少・肝機能数値の異常・抑うつ状態などがみられることがあります。

また、注射をした部位が赤くなったり、痛くなったりする注射部位反応が出ることもあります。

イムセラ・ジレニア

  • 2011年日本発売
  • 1日1回の飲み薬

フィンゴリモドは、再発寛解型MSに対する経口の再発予防薬です。日本で開発された薬で、漢方薬として有名な「冬虫夏草」というキノコに含まれる成分の化学構造を元に合成されました。

https://www.mscabin.org/ms/msfty/

注意が必要な副作用は、感染症・黄斑浮腫(線がゆがんで見える)・過度のリンパ球減少・肝機能障害

薬を飲み始めてから数日間にわたって脈拍数の低下(徐脈)や心電図の異常がみられることがあるので、初めて飲むときは循環器の専門医がいる病院に1泊以上の入院が必要と言われています。

もぐぷく体験談

私が最初に使っていた薬は、ジレニアでした。

もう9年近く前なので、記憶があやふやですが、導入時に2泊ぐらいしたかと思います。

心電図を記録する機械を付けた状態でずっと過ごしていました。

私は、特に徐脈などの副作用もありませんでした。

ジレニアを始めて数週間で仕事復帰しましたが、先生からは感染症の恐れからマスクを付けて生活するように言われました。

仕事は接客業だったため、打ち合わせの時はマスクを外し、その他、家の中以外はマスクを付けて生活していました。

その頃から、なぜか舌に口内炎(ドーナツ状)がよく出来るようになりましたが、関連性は不明です。

そして仕事の負担が大きかったのか、すぐに再発。

当時の主治医いわく、まだ薬が効いてなかったのかも…とのこと。

再発したので、ジレニアを停止し、ステロイドパルス療法を始め、また炎症が落ち着いてしばらくしたら、ジレニアを再開しました。

しばらくして、生理不順が続いたことがありました。

主治医に相談すると、色々調べてくれて、ジレニアを使っている女性の中には、そういう人もいると言われました。

もしかしたら、関連性があるのかもしれません。

その他は、大きな副作用もなく、4年くらいは使っていました。

最近、現在の主治医に聞いたのですが、ジレニアから別の薬に変えるときは再発しやすいそうです。

私も例外なく、ジレニアからコパキソンにしたら再発。

そういう私の経験もデータとなって、同じ多発性硬化症で悩んでいる方たちの力になれているのかと思うと、無駄じゃなかったのかな?と思います。

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タイサブリ

  • 2014年日本発売
  • 4週に1回の点滴

免疫細胞の1つであるリンパ球の表面には「インテグリン」というタンパクが存在しています。タイサブリ®は、このインテグリンに結合することで、リンパ球が中枢神経系に入るのを阻止します。

https://www.mscabin.org/ms/mstysabri/

注意が必要な副作用は、JCウイルスによって起こる感染症(PML)です。

JCウイルスは、謙譲な日本人でも70%が感染しているといわれるウイルスですが、血液中で抗JCウイルス抗体ができているので、通常であればPMLを発症しません。

ですが、タイサブリの治療中はJCウイルスが目覚めてPMLを発症することがあります。

長期間タイサブリを使用していると、そのリスクが高くなると言われています。

そのリスクを抑えるため、再発のリスクが少なければ点滴の投与を6〜7週の間隔で行うこともあります。

その他、JCウイルスによる細胞障害(GCN)やヘルペスウイルスによる脳炎・急性網膜壊死や感染症・注射時の頭痛・嘔気・発熱・疲労・蕁麻疹・かゆみなどや過敏症・肝障害などが報告されています。

もぐぷく体験談

現在はケシンプタに変更しましたが、その前はタイサブリを使用していました。

最初は、長く使用するとPMLのリスクが高くなるので2年しか使えないと言われていましたが、結果的に6年間お世話になりました。

私より前に使用している患者さんたちのデータのおかげで長く使えました。(^^感謝)

渡しの場合、導入時は副作用のリスクから2泊の入院をしました。

その後は4週に1回のペースで点滴しますが、3回目くらいまでは点滴が終わったあとも30分くらい様子をみてから帰ってました。

最後の2年間は、6週に1回のペースで行っていました。

病院に行く回数が減り、負担が減った印象でした。

大きな副作用もなく、一度も再発していないので、私には合っている薬だったと思います。

点滴は、1時間半くらいかけてゆっくり落としていくので、帰る頃にはお腹はペコペコ、いつもグッタリしていました。

PMLも、年に2回の血液検査でしっかり数値を見ていれば、そこまで心配しなくても大丈夫だと言われていますが、やっぱり長期の仕様はリスクが高くなるので、注意が必要です。

また、私はタイサブリを使いながら、妊娠・出産を経験してます。

こちらの記事で詳しくお話させていただいていますので、気になる方はぜひ見てみてください!

コパキソン

  • 2015年日本発売
  • 1日に1回の皮下注射(本人や家族など)

「ミエリン塩基性タンパク」に注目して開発が始められたのがグラチラマー酢酸塩(コパキソン®)です。ミエリン塩基性タンパクを解析し4つのアミノ酸をランダムに配列して人工的に作ったペプチド製剤です。

https://www.mscabin.org/ms/mscopaxone/

副作用として、注射部位の発赤・痛み・かゆみなど。

注射後数分以内に起こる顔面紅潮・胸痛・息苦しさ・動悸・頻脈など。

発赤・蕁麻疹・喉のかゆみ・けいれん・失神などの過敏性反応。

長期間使用による皮下脂肪萎縮などがあります。

もぐぷく体験談

ジレニアとタイサブリの間に、3ヶ月だけコパキソンを使っていた時期があります。

導入時には、注射の打ち方を教えてもらうため、1泊入院しました。

1日1回とはいえ、バチッと大きな音を出して自分で注射をするのは精神的にもストレスでした。

ほぼ毎回、注射したところがプクッと赤く腫れて、かゆかったです。

寝る1時間前くらいに打つリズムにしてたので、かゆくて寝付きが悪かったです。

もしかしたら、冷蔵庫に入れておいた薬がしっかり液体が常温になってなかったのかもしれませんね…。

ですが、私にとって注射を自分で管理するのは、かなりの負担でした。

「妊娠したい」という一心で頑張ってましたが、再発したので短い付き合いでした。

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テクフィデラ

  • 2017年日本発売
  • 1日に2回の飲み薬

テクフィデラ®は、免疫を担当する細胞の1つであるリンパ球が活発にならないようにする作用と、「酸化ストレス」から神経細胞を保護する作用があると考えられています。

https://www.mscabin.org/ms/mstecfidera/

初期の頃に起こりやすい副作用として、潮紅・下痢、吐き気、腹痛などの胃腸障害があります。

その他、リンパ球の減少・肝機能数値の異常・感染症・かゆみなどが報告されています。

海外では、タイサブリの副作用PMLが報告されています。

メーゼント

  • 2020年日本発売
  • 1日1回の飲み薬

メーゼント®は免疫を担当するリンパ球が、リンパ節・脾臓などのリンパ組織から出て行くのを抑えます。すると体内を循環するリンパ球の数、そして中枢神経系に入っていくリンパ球の数も減り、MSの再発が抑えられるという機序が考えられています。

https://www.mscabin.org/ms/msmayzent/

注意が必要な副作用は、循環器に関するもの・感染症・黄斑浮腫・過度のリンパ球減少・肝機能異常・血圧の上昇です。

メーゼントは、遺伝子検査(採血)によって、『使える人(全量)』か『使える人(半量)』か『使えない人』かを調べる必要があります。

ケシンプタ

  • 2021年日本発売
  • 4週間に1回の皮下注射(医師や看護師)

ケシンプタ®には「CD20」というタンパクを発現しているB細胞を除去する作用があります。そうすることで血液中からCD20陽性B細胞がなくなり、関係する免疫システムへの様々な影響によりMSが抑えられると考えられています。

https://www.mscabin.org/ms/mskesimpta/

副作用として、感染症にかかりやすくなります。

B型肝炎にかかったことがある場合は、ウイルスが再活性化し劇症肝炎を引き起こす可能性もあります。

その他、注射による発熱・頭痛・疲労などや、注射部位が赤くなったり、痛くなったりすることもあります。

タイサブリの副作用、PMLにも注意が必要と言われています。

もぐぷく体験談

主治医からの新たな説明で、ケシンプタは元々白血病の治療薬として使っていた薬を、多発性硬化症用に薄めて開発された薬だそうです。

なので、薬自体は昔から白血病患者さんに使われていたものだと説明を受けました。

また、妊娠についても、妊娠がわかった時点で薬を止めれば問題ないと言われています。

薬が原因で流産率が上がったり、奇形が起きるという事例はないそうです。

私が通院している病院でも、二人目の妊娠を望んでる患者さんが、ケシンプタ導入の準備を始めていると言われ、私自身も、諸々納得できました。

↓↓こちらでケシンプタの体験談を紹介してます↓↓↓

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もぐぷくまとめ

以上、多発性硬化症の治療について、私の体験談とTwitterの声を含めながら紹介させて頂きました。

私は、主治医が1度変わっています。

最初の主治医は、多発性硬化症について研究されていて、とても頼もしく、サバサバしているのですが、しっかり寄り添ってくれている感じのする先生でした。

タイサブリを始める前に、セカンドオピニオンを進められ、別の病院に行ったことがありましたが、一度会っただけで、あまり合わないかな〜と思ってしまいました。

なので、毎月のように顔を合わせる主治医との相性は、重要なんだと思います。

新しい薬にするときも、「この先生が言うなら」と納得できることもあります。

今の主治医は若い先生ですが、物腰が柔らかく、勉強熱心な方です。

妊娠する前から、別の病院の先生に相談し、出産までのことを細かくアドバイスしてくれました。

難病ってだけで不安なのに、治療で不安になることは良くないと思います。

治療について心配なことがあれば、別の先生に会いに行ってみるのも、一つの選択肢です。

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