6月になるとやってくるのが、特定医療費(指定難病)受給者証(以下:指定難病受給者証)の更新書類ですよね。
はじめの頃は、そもそも提出する書類の名前が難しすぎて、何をどう用意すれば良いのか、もらった資料を何度読み返しても分からず、手探りで更新申請をしていました(笑)
そして、これで良いだろうと思って申請に行くと、足りない書類があったりして、何もできずに帰ったこともあります…。
難病歴11年目の私でも、毎年これ何だっけ?と記憶を辿って、なんとか申請を行っています。
きっと同じように指定難病受給者証の更新申請に頭を悩ませている方も多いはず!
そこで、更新申請するまでのスケジュールを組んでみました。
是非、参考にしてみてくださいね◎
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特定医療費(指定難病)受給者証とは?
まずは、確認のために指定難病受給者証について紹介致します。
発症した病気の原因がわからず、治療法も確立されておらず、患者数が少ない病気を難病と言いますが、その中でも長期にわたって治療や療養が必要とされる病気のうち、厚生労働大臣が定めている病気を「指定難病」と言います。
令和6年4月時点では、全部で341疾患もの病気が指定難病として指定されています。
指定難病は、治療が難しく、医療費が高額になる病気を対象にしています。
それは、患者や家族の経済的負担を軽減するためだけでなく、病状や治療状況を把握して、治療研究を進めるためでもあります。
しっかりと医師に病状を伝えることで、もしかしたらあなたの病気が治る病気になるのかもしれないと思うと、伝えるって大切ですよね。
それらの病気に指定難病医療費制度を設け、その対象となる患者ですという証明書になるのが「特定医療費(指定難病)受給者証」なんです。
たまに病院の待合室などで、聞かれることがあるのですが(なぜか)、
指定難病に入っているのに申請させてもらえないんだけど…
という質問です。
実は、指定難病であっても指定難病医療費制度にも該当しない場合があるので、注意が必要です。
対象となる人の条件を見てみましょう。
指定難病医療費制度の対象となる条件
- 重症度を分類と照らし合わせて、一定程度あること。
- 軽症だけど医療費が高額なこと。(月に医療費総額33,330円以上が年間3月以上ある)
これを見ると、私に声をかけてきたお姉様達は、「軽症で医療費が高くない」という理由で、申請ができないのだと思われます。
私なんかは3万未満もかなり高額な気がしてしまいますが、重症で生活もままならない方や、辛い治療を行わなければ生活できない方のことを思うと、仕方がないのかなとも思います。
指定難病受給者証を持っているから良いというのは絶対ないですよ!持っている人たちはその分治療を頑張ってます!
簡単ではありますが、指定難病受給者証の紹介をさせていただきましたので、続いては私が考えた更新申請までのスケジュールを見ていきましょう!
指定難病受給者証申請スケジュール
この記事を見ているあなたの手元には、既に指定難病受給者証の申請に必要な書類が書かれた用紙があることでしょう。
自治体によって違いがあるかと思いますが更新申請にはこのような書類を揃える必要があります。
更新申請に必要な書類
- 特定医療費の支給認定申請書
- 診断書(臨床調査個人票)
- 保険証の写し
- 住民票(自治体による)
- 世帯の所得を確認できる書類(自治体による)
- 現在使用中の特定医療費受給者証の写し(自治体による)
- その他、自治体が指定する書類
対象の方だけ必要な書類
- 同意書(医療保険の所得区分確認のため)
- 人工呼吸器等装着者であることを証明する書類
- 世帯内に申請者以外に特定医療または小児慢性特定医療費の受給者がいることを証明する書類
- 医療費について確認できる書類(特定難病自己負担上限額管理表)
- その他、自治体が指定する書類
ズラリと必要書類が並んでいるのを見ただけでクラクラしますよね(笑)
これらの書類を1つずつ順番に準備していきましょう。
それでは、更新申請に向けてスタートです!
①診断書(臨床調査個人票)を書いてもらおう
まず最初にやるのが、診断書(臨床調査個人票)の依頼を病院にすることです。
こちらは、都道府県や指定都市から指定を受けた難病指定医と協力難病指定医だけが書ける書類なので、依頼してからかなり時間がかかります。
更新申請ができる期間が限られているので、先に依頼しておくのがオススメです。
私の場合は、こんな感じの手順で依頼しています。
- 届いた更新書類の中から臨床調査個人票を病院に依頼する書類を引き抜く。
- 病院に行く。(私は月1で通院しているので、通院の時に依頼してます)
- 窓口で、持ってきた書類と現在使っている受給者証を見せる。
- 病院側が用意している書類に必要事項を記載する。
- 依頼終了(出来上がりまでに2〜4週間程度かかる)
※お住まいの都道府県や病院によっても依頼方法が変わると思いますので、参考までに見ていただければと思います。
分からなければ、届いた更新書類を一式持って病院の窓口で聞くのが一番良いでしょう。
日常的に通院している自宅近くの病院と、定期的に経過を診てもらっている遠方の大病院の2つ病院を受診しているけど、どっちの医師に臨床調査個人票(診断書)を依頼すれば良いの?
という方もいらっしゃると思いますが、その場合は主治医が【難病指定医】か【協力難病指定医】なのか確認してみましょう。
指定難病の制度では、都道府県・指定都市から指定を受けた指定医に限り、特定医療費支給認定の申請に必要な臨床調査個人票(診断書)を作成することができます。
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460
この、「都道府県・指定都市から指定を受けた指定医」というのが、【難病指定医】と【協力難病指定医】です。
難病指定医は、新規申請および更新申請に必要な臨床調査個人票(診断書)の作成ができる医師。
協力難病指定医は、更新申請に必要な書類のみ作成できる医師です。
主治医が難病指定医か協力難病指定医なのか確認し、更新申請用の臨床調査個人票(診断書)を書いてもらえるかを聞いてみて下さい。
診断書(臨床調査個人票)を病院に依頼したら、焦らず用意ができるのを待ちましょう。
そして、病院から「診断書(臨床調査個人票)の用意ができました」という連絡がきたら、病院の窓口へ行き、支払いをして受け取ります。
私の病院では臨床調査個人票(更新用)の依頼に5,000円かかります…けっこう痛い(泣)
診断書(臨床調査個人票)を受け取ったら、次は役所で発行してもらう書類を準備をしましょう。
②市区町村の役所で必要書類を発行してもらおう
続いては、お住まいの市区町村の役所で発行してもらう書類を準備します。
自治体によっては、マイナンバーカードで全て管理されているという地域もあるかと思いますが、いくつかの都道府県を確認すると主にこちらの書類が必要になってくるようです。
- 住民票
- 市町村民税の課税(または非課税)証明書
それぞれ、更新申請に必要な決まり事があるので、間違いがないように慎重に行うのがポイントです。
まずは、更新申請に必要な「住民票」の決まり事を確認しましょう。
更新申請に必要な住民票の決まり事
- マイナンバーが記載されている
- 続柄が記載されている
- 世帯全員分
- 発行から3ヶ月以内のもの
この決まり事がしっかり守られている住民票を準備するのが必須です。
市町村民税の課税(または非課税)証明書については、人によって必要な書類が違うので、別のページで紹介しています。
住民票と市町村民税の課税(または非課税)証明書を準備するには、3つの方法があります。
- お住まいの区市町村の役所の窓口で発行してもらう方法
- お住まいの区市町村に問い合わせて郵送で送ってもらう方法
- マイナンバーカードを使ってコンビニで発行する方法
1つ目は、お住まいの市区町村の役所の窓口で発行してもらう方法です。
平日お休みの方や、必要な書類が正しいのか確認してもらいながら発行してもらいたい!という方にオススメです。
2つ目は、お住まいの市区町村の役所に問い合わせて郵送で自宅に送ってもらう方法です。
平日はお仕事などで役所に行けない方や、外出するのが難しい方にオススメです。
郵送での対応は、自治体によってやり方が違うので、お住まいの市区町村の役所に問い合わせて依頼しましょう。
3つ目は、マイナンバーカードを使ってコンビニで発行する方法です。
コンビニに設置されているコピー機を使えば、自分で手軽に住民票と市町村民税の課税(または非課税)証明書を発行することができます。
毎日6:30〜23:00まで利用できるので、役所がお休みの土日でも発行できちゃいます。(市区町村によって利用制限されている場合があるそうなので、利用する際は予め確認しておくと安心です。)
土日お休みの方や、役所が自宅から離れている方にオススメです。
◎やり方や、利用できる市区町村は、こちらのサイトで確認できます。
私も何度かコンビニ発行やりましたが、普段コンビニに行かない人間なので、コピー機の前でもたもたしてるのが耐えきれない時があり、けっこう役所に行って発行してもらってます(笑)
自分に合う方法で準備してみて下さいね!
住民票と市町村民税課税(または非課税)証明書の準備ができたら、次は保険証の写しを用意しましょう。
③保険証の写しを準備しよう
続いては、保険証の写し(コピー)を準備します。
あなたが使っている保険証によって、用意する保険証が違うので注意が必要です。
市町村国民健康保険(市町村国保)
市町村国民健康保険には、主に自営業の方や、フリーランスや非正規雇用で働いている方、年金生活を送っている方などが加入されています。
市町村と都道府県が運営しているので、【〇〇県国民健康保険 被保険者証】と、都道府県名が記載されています。
そして、保険社名には【〇〇県〇〇市】と、都道府県名と市区町村名が記載されています。
こちらの市区町村国民健康保険の保険証を使っている方は…
住民票上の世帯で同じ市町村国民健康保険に加入している方全員分の保険証の写し(コピー)が必要です。
国民健康保険組合(国保組合)
国民健康保険組合には、主に同じの事業や業務を行っている個人事業所の方と、そのご家族の方が加入されています。
保険証に都道府県名の記載が無く【国民健康保険 被保険者証】とだけ記載されていて、一番下に【〇〇国民健康保険組合】と記載されています。
こちらの国民健康保険組合の保険証を使っている方は…
住民票上の世帯で同じ国民健康保険組合に加入している方全員分の保険証の写し(コピー)が必要です。
後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度は、75歳以上の全ての方が利用されている制度です。
長方形の紙に【後期高齢者医療被保険者証】と記載されています。
こちらの後期高齢者医療制度を使っている方は…
住民票上の世帯で同じ後期高齢者医療制度に加入している方全員分の保険証の写し(コピー)が必要です。
※他の保険証を使っている方の分は必要ありません。
被用者保険(社会保険)
被用者保険には、会社員の方、公務員の方、教職員の方とその扶養家族が加入されています。
大企業の組合健保、中小企業の協会けんぽに加入されている方は、保険証に【健康保険 被保険者証】と記載されています。
また、教職員や公務員などの共済組合に加入されている方は、【〇〇県市町村職員共済組合 組合員証】と記載されています。
こちらの被用者保険の保険証を使っている方は…
患者本人だけの保険証の写し(コピー)が必要です。
また、患者以外が被保険者の場合(家族の扶養に入っている方など)は…
被保険者と患者分本人分の保険証の写し(コピー)が必要です。
〈例〉妻が指定難病患者で、夫(被保険者)の扶養に入っている場合は、夫(被保険者)分の保険証と妻の保険証の写し(コピー)が必要。
コンビニのコピー機や、自宅、会社のコピー機で印刷して、準備しましょう。
私はコピーせずに必要分の保険証を持っていって、その場でコピーしてもらってますが、家族がその日に使う場合もあるので、コピーして持っていくほうが一番良いと思います。
保険証の写し(コピー)の準備ができたら、次は記入が必要な書類の準備をしましょう!
④書類に必要事項を記入しよう
続いては、記入が必要な書類を準備していきます。
まずは【特定医療費の支給認定申請書】に必要事項を記入します。
既に記入されている場合は、間違いがないか確認しましょう。
その他、同封されていた書類を1つずつ確認し、記入が必要な箇所に記載していきます。
特定医療費の支給認定申請書以外の書類は、自治体によって同封されているものが違うので、しっかり確認して準備していきましょう。
記入する箇所や、記入が必要な書類が分からない場合は、申請時に確認してもらいながら書くと安心です◎
自分で申請に行くのが難しく、ご家族の方などに申請をお願いする場合は、委任状の準備を忘れずに!
書類の記入が終わったら、申請に必要な書類が揃っているか確認しましょう。
⑤更新申請に必要な書類が揃っているか確認しよう
慌てて更新申請に行く前に、届いた更新案内に記載されている必要書類と照らし合わせて、書類が揃っているか確認しましょう。
対象者だけが用意する書類(自己負担上限額管理表、生活保護受給証明証、人工呼吸器等装着者証明証、小児慢性特定疾患医療費受給者証など…)なども、漏れがないように注意して下さいね。
【軽症者特例】軽症だけど医療費が高額な(月に医療費総額33,330円以上が年間3月以上ある)方や、【高額かつ長期】高額な医療費が長期的に継続する(月に医療費総額50,000円以上が年間6ヶ月ある)方は、自己負担上限額管理表が支給認定の基準になるので、絶対に忘れないようにして下さい!
◎自己負担上限額管理表は、医療機関の会計窓口で書いてもらっているものです。
【参考リンク】東京都福祉局
必要書類が揃っていることを確認したら、全て持って更新申請に行きましょう!
みなさん一回でスムーズに申請ができますように(祈)
まとめ
以上が、私が決めた指定難病受給者証を更新申請するまでのスケジュールです。
更新に必要な書類が多く、自分にはどの書類が必要なのかも複雑で分かりにくいですよね。
「病院に依頼した臨床調査個人票がまだ来ない…更新期間終わっちゃいそう!」
「住民票をもらいに役所に行ったのに、課税証明書も必要だった!また役所に行くのめんどい…」
なんてこともあるのではないでしょうか?
少しでもスムーズに準備ができるように考えてみましたので、このスケジュールを参考にして自分のやり方を模索してみて下さいね◎
私は以前、仕事を辞めて保険証が切り替わるタイミングで受診したことがあり、何も考えずに自動精算機で会計しようとしたら、30万くらいの金額が表示されて焦ったことがあります(笑)
申請は複雑ですが、治療を行っていく上で指定難病受給者証は大切な相棒です。
毎年しっかり更新して、また1年治療を頑張りましょう!
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